8月27日 土浦日本大学中等教育学校 オープンスクール
土浦日本大学中等教育学校のオープンスクールに行ってきました。
1)「夏休み!化学実験教室」
ここでは、炭酸水素ナトリウムが,料理に使われている原理を学習し、熱分解の実験からカルメ焼きづくりまで行うということで、真っ先に覗いてきました。2人の先生と、6人のTA(先生を補佐する在校生)が、大勢の受験生を迎え入れています。
まずは、原理をしっかり理解しようということで本格的な実験です。ガスバーナーを用い、水槽の中で気体を試験管の中に集めます。実験器具の名前はもちろん、「水上置換」などといった理科用語も時折織り交ぜながらの説明に、受験生も知的好奇心をくすぐられている様子です。
試験管に集められた気体の中に、石灰水や火のついた線香を入れ、気体の性質を調べていきます。 「石灰水を入れたらどうなると思いますか?」 先生が参加者に問いかけると、さすがは受験生、二酸化炭素ならば白く濁ることをきちんと答えてくれる生徒が何人もいました。
一通り実験が終わると、先生は、実験装置の周りに集まっていた受験生たちをパワーポイントが映し出されたスクリーンに注目させます。たった今実験で行ったことをパワーポイントで振り返ることで、実験の意味を頭でも理解させているわけです。
熱分解の仕組みを説明するときには、化学式を表示しながら行っていました。複雑そうな化学式を小学生が理解できるのかなとふと不安に思ったのですが、彼らは何の困難もなく化学式の意味を理解していました。考えてみれば、CO2やH2Oは日常用語ですから、熱分解で出てくる物質を理解するにはかえって化学式が書かれていた方がわかりやすいわけです。
さて、応用編は、お楽しみの「カルメ焼き作り」です。おたまの中に入れた砂糖と水を熱し、重曹(これが炭酸水素ナトリウムなのです!)や卵を入れてかき混ぜると次第に大きく膨らんでいきます。その様子を目の前にして、集まった小学生たちは立ち上がり夢中になって見ていました。先生のお手本が終わると、子どもたちは「待ってました」と言わんばかりに各々のテーブルでTAである中学生の先輩の指導の下、楽しそうにカルメ焼きを作っていました。最後には出来上がったカルメ焼きを食べ、大満足でした。もちろん、重曹卵がなぜ膨らむのかはしっかりと頭にインプットしました。
2) 「イングリッシュ・ティーパーティー」
「イングリッシュ・ティーパーティー」という名前に惹かれて参加してみました。この授業は家庭科室で行われ、3人の外国人教師を含む5名の先生が、20名ほどの受験生(参加者)を迎えていました。ここにもTAの中学生が4人、先生の補佐役として活躍しています。
参加者はローマ字で自分の名札を作っていました。先生方や在校生は、この名札を見れば、参加者の名前がすぐに分かります。名前を呼ぶことで少しでもリラックスしてもらおうという細やかな心配りが感じられます。
ティーパーティーというだけあって、勉強というよりは、全体にアットホームな感じで、英語を使うことを楽しもうという雰囲気が漂っています。先生方のユーモアあふれる自己紹介に引き続いて、TAの中学生たちが英語で自己紹介を行いました。受験生たちは「自分も来年は同じように・・・」という思いを持ったことでしょう。
自己紹介が終わると、先生が紅茶の作り方をみんなの前で見せました。ここではティーパーティーで使う道具、(tea cupやpot)など英語の発音練習も兼ねて授業が行われました。ティーパーティーで使える英会話表現についても、パワーポイントを使って先生が授業しました。Can I have a milk ( sugar, cookies….)? 先生方が実際に会話し、例を見せた後、子どもたちが練習しました。
そんな会話練習が終わると、いよいよティーパーティーの始まりです。子ども達はさっき習った英語の表現を実際に使いながら、周りの友達や先生、TAの中学生達と、会話とクッキーと紅茶を楽しんでいました。普段英語にあまり触れていない子どもでも、ジョークや身振り手振りを交えた先生の授業やTAの中学生たちのフォローによって、戸惑うことなく英語と触れ合っていたのが印象的でした。「英会話」といって身構えるのではなく、自然体でその場を楽しむ術こそが、土浦日大の英語の強さの根底にある秘密なのかもしれません。
二つのイベントに参加してみて
実験教室でもイングリッシュ・ティーパーティーでも、参加者が自然に溶け込んでアットホームな雰囲気を作りあげていることが、今回参加してみてよくわかりました。この雰囲気を醸成している立役者は言うまでもなく、TA役の在校生たちです。今回参加した受験生も、きっと、この先輩方の伝統を受け継いでいくことでしょう。
Reported by 宮崎晋平 (慶應義塾大学商学部)