9月7日 土浦日大中等教育学校 説明会レポート

◇9月7日(土)に土浦日大中等教育学校の説明会に行ってきました。会場となったオーディトリアムには、家族でいらっしゃっている方が目立ちました。説明会の運営を手伝っている在校生が、一人一人の来校者に挨拶をする様子がハキハキしていて、アットホームで和やかな雰囲気が漂っています。司会は、日本人の先生と外国人の先生が2か国語で進行。いかに日頃から英語があふれる学校であるかということを感じさせるものでした。 Reported by  山口真生人(東京大学経済学部) 

What’s New

 ◇中川校長先生のお話は、ホームページで言えばwhat’s new のパート、最新情報のエピソードを二つ紹介するところから始まりました。

 一つは、夏休みに行われた、「英語インタラクティブフォーラム県大会」で、茨城県知事賞と茨城県教育長賞を受賞したという報告です。このフォーラムは、「インタラクティブ」とあるように、双方向的なコミュニュケーションをする中での英語力を見ようというもので、スピーチコンテストに比べて、より議論や対話で必要となる英語力が問われています。

 知事賞というのは事実上の優勝で、その栄冠に輝いたのは、中学3年生の帰国生だそうです(教育長賞を受賞したのは4年生)。帰国生が大勢在籍している土浦日大中等教育学校では、ふだんから討論などを取り入れた英語の授業を行っているとのことですから、今回の受賞は、その成果の表れだと言ってよいでしょう。

  もう一つの近況は、国際交流における留学生のトピックです。土浦日大中等教育学校では、毎年海外からの留学生を受け入れていて、今年も9月2日からアメリカからの留学生が来ているということです。校長先生は、その留学生がホームステイしている家庭のこともよく把握されていて、勉強するクラスもいくつかのクラスに所属するようです。こういった細やかな配慮が、学校全体で留学生をケアしていこうという雰囲気となっていくのだろうと感じられました。

土浦日大中等教育学校 4つの特長

続いて、学校の特長を4つに分けて、説明されました。 

◇まずは、「品位あふれる生徒の姿」というキャッチフレーズが意味している内容の説明です。これは、制服に象徴される外面と、生徒の内面の両方が関係しています。土浦日大中等教育学校では、「自信と誇り」という言葉で表現していますが、例えば進学面で言えば、ハーバードや東大や日大医学部といった「トップ」を目指すこと、そのような気持ちが日ごろの良い習慣を創ることにつながり、外面にもそれが表れてくるということです。「清楚でキュートな身だしなみ」とホームページにもある表現は、単に制服のデザインにとどまらず、誇りを持って、自分と違う者を認めていく、自分と違う者を知っていく、許容していく精神とつながっているということなのです。

◇二つ目は、リサーチ学習の重視です。そのために、いつでもリサーチを可能にする、先進的なIT環境も整えているということです。

 イギリスでの研修旅行で、生徒はテーマを決めてリサーチをします、街中で英語インタビューをすることもあるそうです。冷たく断られるかもしれないけれど、それはそれで学習の機会だと捉えているのです。 

 リサーチをする上で欠かせないのがパソコンやインターネットです。土浦日大中等では、新入生にタブレット型にもなるパソコンを配布し、校舎の主要な場所はWIFI環境を整えているとのことです。これだけのIT環境を用意している学校は、茨城県内はもちろん、首都圏全体で見てもそれほど多くはないはずです。

◇さらに、英国ボーディングスクールでの英語研修も大きな特長の一つです。もう就職が決まった卒業生が、この時の体験を振り返って、自分の現在はこのイベントに原点があると話をしてくれるそうです。「未来が作られる場」と校長先生がお話されるように、このような体験が中高時代の大きな財産となるわけです。

◇最後に、グローバル、イノベーション、リベラルアーツという、土浦日大中等が目指す方向性が示されました。もちろん一方では、大学受験を突破するための対策的な勉強も必要で、5年生の秋になると、いわゆる大学受験モードになって、蓼科勉強合宿なども行っていくようですが、全体としては、グローバル化とITが進む21世紀型の教育に進めていくというお話でした。

 

 取材を振り返って

 海外大学進学実績などを見てみると、最後に示された校長先生のメッセージは、もうすでに土浦日大中等において現実のものとして準備されていると感じます。私自身、これから社会に出ていく身として、21世紀型のイノベイティブな教育ということは、非常に共感を覚えた部分です。おそらくこの先、10年後に社会に出る生徒というのは、今よりももっとイノベイティブな能力が問われることになるということは間違いありません。土浦日大中等教育学校のような、21世紀型の教育がますます求められるのではないでしょうか。