東京大学の紹介‐行事を中心に   教育学部 清水駿

東京大学には大学内でしか使われない専門用語のようなものがいくつか存在するので、それらの紹介を交えつつ東大生や東京大学内部の様子を紹介したいと思います。


◇「同(おな)クラ」(同じクラスの略)という言葉は一般的に学生の間で用いられていますが、東京大学では「上クラ」「下クラ」という言葉もしばしば使われます。「上クラ」は1学年上で同じ科類、同じクラスに該当する先輩方を、「下クラ」は1学年下で同じ科類、同じクラスの後輩を指します。(また、2学年上の場合は「じじクラ」と呼びます)例えば私の場合は2010年入学の文科三類9組なので、上クラは2009年入学の文科三類9組、下クラは2011年入学の文科三類9組を指します。


◇入学が決まった東大生はまず4月1日、2日に諸手続きのため駒場キャンパスへ足を運びます。その諸手続きの過程で上クラの学生数名が待機するブースに行き、同日に開催されるプレオリという親睦会への出欠と次の日から1泊2日で行われるオリ合宿の出欠を伝えます。 


◇プレオリやオリ合宿は、新入生が同じクラスの人との親睦を深める為の最初の機会として上クラが事前に企画するものです。プレオリはオリ合宿前にお互いを知るために催される食事会のようなものなので参加率はあまり高くありませんが、オリ合宿は同クラや上クラの人と仲良くなる最大の機会なのでほぼ全員が参加します。オリ合宿は上クラの先輩方が行き先や活動内容の決定から引率まで全て担当してくれるので行き先は富士急ハイランド、代々木公園などクラスにより様々であり、新入生は安心して色々な人と親睦を深めることが出来ます。またオリ合宿中に上クラ主導で1年生のクラスにおける役割を決定します。役割にはパ長(コンパ長の略。クラスの飲み会や上クラとの飲み会の企画、幹事を担当する)、会計(クラス用の口座を作り学園祭などの費用、利益をクラスのお金として管理する)、5月際委員、ロッカー係などがあります。新入生にとっては、この合宿に参加すればクラスの人達と仲良くなれるだけでなく上クラの先輩方との縦の繋がりを持つことでサークルや履修、食堂のおすすめメニューなど分からないことがあれば何でも聞けるので、新しい環境に対する不安を和らげることができます。


◇オリ合宿と入学式を経てクラスの仲も深まってくる5月には、新フェスと5月祭という行事があります。新フェスは5月祭で実際に模擬店を出す前の予行練習のようなもので、新木場の潮風公園で1年生が模擬店を出す行事です。5月末には東京大学本郷キャンパスで5月祭が開催されに1年生がクラス単位で模擬店を出したりダンスサークルや音楽活動をしているサークルなどがステージで発表したり、芸能人を招いて演説会を催したりします。 


◇クラスによって時期は様々ですが、6〜10月頃にはオリ合宿を企画してくださった上クラの先輩方への感謝の意を示し、今度は1年生がオリ感と呼ばれる飲み会を主催し上クラの先輩方を招待します。この飲み会では基本的には1年生が代金を全て支払い上クラの先輩方は無料で参加することが出来ます。 


11月末には駒場キャンパスで駒場際が開催されます。駒場際でも5月祭と同様に主に1年生がクラス単位で模擬店を出したり各サークルが発表をしたりします。

 

また勉強面で東京大学特有のものとしては「しけプリ」(試験対策プリントの略)が挙げられます。各クラス内で授業ごとにしけ対と呼ばれる担当を割り振り、中間試験前や期末試験前には各々自分が担当した授業の試験対策プリントを作成しネット上にアップすることで他の学生と試験対策プリントを共有することが出来ます。この制度があるため、東大生の試験勉強は自分が履修している授業のしけプリをインターネットで探すところから始まり、しけプリが手に入ったら自分が取ったノートや教科書と照らし合わせながら試験勉強を進めていく、といった具合です。また各学期の初めにはその学期に開講される授業を持つ教授の教え方や評価の厳しさ、単位の取りやすさ、点数の取りやすさなど様々な情報を学生が分析して作成する「逆評定」という冊子が販売され、学生はシラバスと逆評定を参考にしながら履修を組んでいきます。評価が厳しい順に教授は閻魔、大鬼、鬼、仏、大仏、神の6種類に分類され、必修科目の教授が閻魔や大鬼であった場合の対処法なども逆評定に記載されています。


東京大学では2年生の前期まで文科一類、二類、三類、理科一類、二類、三類全ての学生が教養学部に属し、2年生の前期までの成績によって専門となる学部が決められる進学振り分け、通称「進振り」という制度があります。そのため学生は希望の学部に入るためただ単位を取るだけではなく各授業の点数を重視します。基本的に文科一類は法学部、二類は経済学部、三類は教養学部、教育学部、文学部にいきやすいシステムとなっていますが、高い点数を取ればその枠を超えて学部を選べるので、点数次第では例えば理科二類から経済学部に進むことや文科三類から法学部に進むことも可能である一方、文科一類から法学部にいけないというケースもあります。学生は逆評定やシラバスを見たりサークルや上クラの先輩におすすめの授業を聞くなどしつつ興味を持てる授業を選び慎重に履修を組んでいきます。