かえつ有明 ロボット講座

◇12月17日(土)と19日(月)の二日間にわたって、かえつ有明の中3生サイエンス科でロボット講座が実施されました。初日はロボットを組み立てて、二日目はそのロボットを使ってプレゼンを行うというイベントです。私は二日目を見学しました。

 

◇初日に部品の組み立てとプログラミングが済んでいるロボットを3人一組のチームが動かしながらプレゼンテーションをします。ロボットの動きについて解説をするのです。ただし、このとき使う言葉は「英語!」です。生徒に配られている資料やプレゼンを評価するシート、そして講座を進行するファシリテーターからの指示もすべて英語。うっかり日本語で話をすると、English please! と注意を受けます。

 

◇それでも、生徒達は楽しそうです。ロボットの動きをコミカルな形容を使って説明します。ゴリラの動きに見立てるグループもあれば、ゾンビにたとえるグループもあります。”Zita-bata”というフレーズを日本語から借りて説明するグループもありました。どのグループも「英語は道具」と割り切りながら説明をしていて、帰国生グループの流暢な発音にも決して負けていません。

 

◇そんな各グループのプレゼンテーションを評価する者もまた生徒達です。ロボットの動き、プレゼンテーションの仕方、英語スピーチ、さらに、チャレンジングな内容だったかどうかなど、限られた時間内で行われるプレゼンに対して、スコアとコメントを評価シートに書き込んでいきます。

 

◇主催者に尋ねると、このプレゼンテーションは質的な評価をフィードバックする部分で、続いて行われる「ロボットレース」は、計測可能な「量」による評価であるとのこと。プログラムの意図は、教育学的な評価の視点を踏まえたものになっているようでした。

 

◇生徒はやはり、チーム対抗のトーナメント戦が一番盛り上がります。細長い板の上をなるべく遠くまで進んだロボットが勝ちというルールです。先ほどのプレゼンの時の動きとは異なる動きをロボットにさせるため、プログラムの変更やその動きの確認など、入念なチェックを行い、本番に臨みます。しかし、計画通りにはなかなか進まないもの。リハーサルと同じようには進まずに苦労しているチームもありました。細長い板をどの程度はみ出したらいけないのか、足一本でも板に残っていればセーフなのかなど、「ルール」について確認する姿や、自分たちで「ルール」を変更しようと討議している様子なども見られました。

 

◇そういえば、昨年の「作文入試」のテーマも、「遊び」の中で「ルール」を考えていく問題だったと気づかされたのは、イベントを見守っているサイエンス科の山田先生から話しかけられた時でした。昨年の作文入試の問題では、「遊び」と「ルール」の関係について考え200字の記述をさせるものでした。サイエンス科が扱っている学習範囲は広大でありながら、身近な題材なのですね。