9月14日 文化学園大学杉並中 学校説明会レポート

◇9月14日(土)文化学園大学付属杉並中学校(文大杉並)の学校説明会に行ってきました。学校の理念や教育実践、各教科についてのお話、次年度の入試情報など、様々な内容について説明がありました。このレポートでは特に、文大杉並の教育の特長や、先進的な取り組みについてお伝えします。

(Reported by 田島里美:慶應義塾大学法学部)

「感動の教育」

◇松谷茂校長先生からは、グローバル化する社会で活躍できる女性を育てる「感動の教育」についてお話がありました。「感動の教育」は、文大杉並の建学の精神で、「目標の達成」「体験」「人との交流」を通して、生徒の人間的成長を促そうというものです。目標の達成は、生徒に自己肯定感を与え、体験は新しい考え方や価値観を与え、人との交流は、他者を理解し、受容する精神につながるということです。

 

◇社会で活躍するには自ら考え行動できる力が大切です。そのために文大杉並で掲げている教育方針が次に挙げるものです。校長先生のお話からポイントを抜粋させていただきます。

「わかる授業の徹底」

 授業では知識を教えることにとどまらず、生徒にそれを活用してもらうことで「真の学力」を育むための創意工夫を全教員に徹底しています。それまでわからなかったことが「わかった!」と変わったときの生徒の感動を大切にし、習熟度別授業で基礎力を固め、未来に向けての「選択授業」や充実した講習で夢の進路を実現していく。そうした毎日は、数々の「わかった!」という感動でいっぱいになっていきます。

「自ら考える生徒の育成」

  将来の自立した女性を目指すために、勉学にとどまらず、感動体験など幅広い教育をしていきます。「こころ」が成長するとき、人は輝きます。「自分らしさって何だろう」「私の生きがいって何だろう」そんな様々な「なぜ?」を通して『自ら考える生徒』を育成するのも文大杉並の教育の特色です。そうした心の成長が学ぶ意欲を高め、生徒一人ひとりの未来の可能性をより大きなものにしていきます。

「国際公用語としての英語力の修得」

2014年度より新たな教育方針として「国際公用語としての英語力の修得」を挙げています。世界はいま、大きく変わりつつあります。国境や人種を超えた交流はさまざまな分野に及んでおり、そしてインターネットの普及は、世界の人々とのコミュニケーションをより身近なものにしています。

そうした時代に、教室では学べない様々な切り口での英語学習に取り組めるのも、文大杉並の特色です。充実した英会話授業のみならず、英語スピーチ・レシテーションコンテストやカナダへの語学研修旅行、英会話キャンプやイギリスホームステイなど、多彩な行事で「使える英語力」を修得する体制を整えています。

 

「新コースの概要」

◇校長先生のお話に続いて、青井静男教頭先生からは、新コースの説明がありました。平成27年度高等学校の「インターナショナルコース(仮称)」「特進コース」の導入に先立ち、その柱となる人材を中高一貫プログラムで育て上げるということです。

 

◇また、2015年4月から始まるグローバルコース(仮称)についての説明もありました。授業はオールイングリッシュで進められ、卒業時に日本と海外、両方の高校卒業資格を持つことが出来ます。そのため、海外大学への受験資格も持つことができ、また日本の大学の帰国子女入試の受験資格も持つことが出来ます。海外の大学へ進学したい場合、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの全ての大学に出願可能となり、将来の可能性は大きく広がります。また日本の難関大学の帰国生入試が利用できるため、例えば早稲田・慶應・上智・ICUなどの国際系の学部に、一般入試よりも低い倍率で受験することができるとのことでした。

 

 ◇中2の奈良京都への研修旅行、中3時でカナダへの語学研修、さらに高2のパリ・ローマ修学旅行についてのお話もありました。それらの費用がすべてパンフレットに掲載されていて、お母様方は安心してお話が聞けたのではないかと感じました。

 

◇その他の学校行事関連としては、英語の活動についての成果について話がありました。中学校で11年間「東京私立中学校 英語レシテーション大会」で優勝、または上位入賞の実績を持っています。また、高校では、東京都の英語ディベートコンテストでは、ずっと優勝・準優勝、また、高校の英語劇コンテストでも、優勝・準優勝をとっているということです。

 

◇文大杉並と言えば、部活動の強さは定評があります。中学では卓球部が全国大会出場、弓道部が関東大会に出場し、去年弓道部は全国大会で準優勝しているとのことです。高校ではソフトテニス部がインターハイの個人・団体で準優勝、なぎなた部はインターハイ演技の部で優勝、卓球部はインターハイ出場、レスリングは世界カデットで優勝しているとのことです。また、吹奏楽部が8月に行われた東京都の大会で銀賞をとったそうです。そういう文武両道、これが文大杉並の強さであると青井先生はお話されていました。

 

「文大杉並の数学」

◇この後、数学科の田中鶏郎先生から、文大杉並の数学教育についてお話がありました。最初に校長先生がお話されていた「わかる授業の徹底」ということが早速実践されていて、

 

文大杉並の数学が大切にしている5つのことが紹介されました。それは、「覚える授業」、「考えさせる授業」、「理解する授業」、「練習する授業」、「確認する授業」という5つです。三角形の内角の和の単元を例にとり、このプロセスを丁寧に紹介してくれました。

 

◇テキストはオリジナルで、さらに先のプロセスが一目でわかるように、ノートの取り方も工夫されています。それは、整理ノートと言って、左側に問題、右側に生徒が自分なりにまとめた解答・解説を記入できるようになっています。大切なところを色分けし、さらにポイントを自分なりにまとめるノートになっています。自分でまとめることによって、間違えた問題をこの一冊で確認することができ、自分だけのオリジナルの参考書になります。テスト前などはこの一冊だけを見ながら勉強することも可能だということで、一つ一つコツコツやる、という女の子特有の学習が活かせるノートです。

 

◇別の復習ノートもあり、それは、間違えた問題をとにかく繰り返し練習をするためのノートなのだそうです。ノートにせよ、小テストにせよ、目的に合わせて様々なものが用意されていて、段階を踏んで、丁寧な指導をしながら進んでいることが説明からよく伝わってきました。


取材を振り返って

◇説明会が終わるころに、体験授業を終えた受験生が戻ってきました。東京都大会で銀賞を受賞したという吹奏楽部の生徒が演奏をしてくれていて、和やかな雰囲気で説明会が終了しました。

◇9月28日・29日には薔薇祭(文化祭)が行われるとのことでした。生徒自身が企画しモデルもこなすという、有名なファッション・ショーを初め、様々なイベントで生徒の生き生きとした様子が見られそうです。