東京大学 本郷の文系4学部の特徴

東京大学では、1,2年が前期課程、3,4年が後期課程に分かれています。前期課程では全員が教養学部に所属し、進振りという制度を経て、後期課程に入ると各々が希望の学部に進学することとなります。
文科1類→法学部、文科2類→経済学部、文科3類→文学部・教育学部・教養学部(後期)、というのが主な流れですが、文科1類から経済学部に行く人や、理系から教育学部に行く人、また文系から農学部や工学部に行く人など、その選択はまちまちです。ここでは、本郷にある文系の4学部(法学部、経済学部、文学部、教育学部)について、大まかに特徴を書いていこうと思います。   by 教育学部4年 A.K
  • 法学部

法学部では、他学部と比べて勉強量が桁違いに多いようです。法学部の学期末の試験では、一つの科目に対して課題プリントが100枚以上ある、といった話を聞いたことがあります。法学部生の友人が総合図書館に籠り、法律書を片手に勉強している姿をよく目にし、つくづく大変だなあ…と思います。
卒業後の進路ですが、卒業生の3分の1が法科大学院などの大学院に上がって勉強を続けます。民間企業に就職する学生も一定数いますが、他学部と比べてあまり多くありません。しかし中央官庁に就職する学生は群を抜いて多く、2013年度の法学部卒業生は66人が霞ヶ関に行くようです。また、大学院入試や国家総合職試験の難易度の高さ、学期末試験のハードルの高さから、留年してしまう学生が多いです。
 
  • 経済学部
続いて、経済学部です。経済学部では他学部ではあまり見られない「ゼミ」が多く開かれており、進学した3年生がゼミ選びに勤しむという光景が毎年よく見られます。経済学部の「ゼミ」は3,4年生が一緒に行っているようで、授業外でも旅行に行ったりゼミ対抗でスポーツ大会をするなど、その繋がりは深いようです。
経済学部生は就職に強く、卒業後は、民間企業に進む学生がほとんどです。大学院に進学する学生は10%ほどしかいません。就職先は多岐に渡りますが、自分の周りでは、外資系の会社を含めた銀行や証券などの金融業やコンサルティング業、また総合商社などの人気が高いです。経済学部には学生経友会なるものが存在し、民間企業を大学に招いてセミナーや説明会などを行うこともしばしばあります。
 
  • 文学部
文学部は、その学問領域が広いこともあってか、様々な個性を持った学生がいます。社会学を勉強したり、人間心理について研究したり、はたまた哲学に没頭したり、、。「東大の文学部で歴史研究がしたいから、東大に来ました!」というような、昔から文学部で勉強がしたかったという学生もある程度いるようです。これまであげてきた2学部と比べ、女子学生の在籍割合も比較的多いのが文学部です。それゆえ、雰囲気はのほほんとしています。
卒業後の進路ですが、2014年度のデータを見てみると、20~30%が進学、60%が就職しています。進学先は東大の大学院が多く、学部の研究をそのまま大学院でも続けるといった人が多いようです。一方就職先としては、業界が多岐に渡っています。経済学部生の就職先が比較的かっちりした業界が多いのに対し、文学部ではそれらに加えて出版やテレビ、広告、不動産など、幅広い業界に学生が就職していきます。
 
  • 教育学部

教育学部は、1学年100人強のとても小さな学部です。理系から進振りで文転して進学してくる学生も多く、文学部と同様、女子学生の在籍割合も多いです。教育学部というと教職に進む学生が多いかと思われがちですが、教職の道に進む学生は文学部の方が毎年多いです。しかし教育学部からも、毎年一定数は教師になる学生がいます。
卒業後の進路ですが、文学部とほぼ同じ傾向にあります。30%が大学院に進学、60%ほどが就職します。自分の周りでも、テレビ局や広告代理店、商社から不動産、コンサルティング業から国家公務員まで、文学部と同じく学生が幅広い業界に進んでいきます。