シンガポールのグッドスクール 3  【National University of Singapore】

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◇先月の出張の際、中高だけではなく、シンガポール国立大学(NUS)も訪問してきました。Times Higher Educationの世界ランキングでは29位、地域別では東京大学に続いてアジア第2位の大学です。

◇学生募集の担当者が強調していたのは、エンジニアリングを専攻する学生への奨学金制度。希望者全員に、年間の授業料とキャンパス内の寮での生活費を合わせた約23,000シンガポールドルのうち、約12,000ドルが支給されるとのことです。しかも、卒業後シンガポールの企業に3年間勤務すれば、その奨学金は返還しなくても良いのだそうです。

Raffles Institution を紹介した記事で触れたように、シンガポールの優秀生の多くが、オックスブリッジを初めとする欧米のトップスクールに進学します。そういう意味では、NUSは、早くから教育の国際競争の波に揉まれてきたと言ってよいでしょう。少しでも多くの優秀生に魅力を感じてもらおうとする努力が上記の奨学金制度に表れているのではないでしょうか。当然シンガポール政府の後押しがあるからこそできることです。

◇アジアの留学生が、例えば東大とNUSを比べた時に、どのような判断をするのか興味深いところです。研究レベルは、学問の領域にもよるでしょうが、東大が一歩リードするかもしれません。では、大学院に進むことを考えに入れた場合、あるいは研究者として民間企業に就職したい場合は・・・。

◇2014年からは、Yale-NUSというリベラルアーツカレッジが始まります。エンジニアリングですでに定評のあるNUSが名門イエール大学と提携するわけですから、東大は早晩アジア1位の座を奪われてしまうでしょう。

外の様子をちょっと眺めてみれば、偏差値で大学を選ぶ時代が過去のものにならざるを得ないことが自ずと明らかになってきます。