帰国枠大学入試のシーズン到来(2)

Taxonomy upgrade extras: 

◇9月2日(月)早稲田大学で帰国生対象の入学試験が実施されました。AO入試の枠で帰国生を募集する国際教養学部以外の全学部が、この日に筆記試験を課します。

◇一次試験に書類選考がある慶應義塾大学と違い、受験資格さえ満たせば誰でも筆記試験の場に臨める早稲田大学は、特に海外での成績が思うように出せなかったという生徒にとって、大きなチャンスとなります。文系学部であれば小論文・現代文・外国語、理系学部であれば、数学・理科2科目をみっちり対策することで、合格の可能性が出てくるからです。

◇海外での成績が重視される慶應の場合ですと、高校の成績や英語資格が振るわなかった生徒は、書類選考の一次試験で落とされてしまうケースがよくあります。IBやAレベルだと2年間の蓄積が最終スコアに影響しますし、一発試験と言われるSATでも、高得点を持っている人は大抵11年生の時からそれなりに対策をした上で、何度も受験して十分なスコアを取っています。

◇当初、海外の生徒に過度な受験競争を助長しないように配慮する目的で実施されていたはずの現地成績重視というあり方も、成績と合否結果の相関を煽り立てられることにより、今や現地での成績を上げるための競争が過熱していて、海外での塾通いのプレッシャーになっているようです。

◇しかし、現地での成績というのは、必ずしも英語資格やSATのスコアだけを意味するわけではありません。ボランティア活動やクラス内でのリーダーシップなど様々な面が評価の対象になります。目先のスコアに振り回されず、広く関心を持ち、議論や対話を重ねながら知的に成長する帰国生の学習スタイルを失わないように心がけたいものです。