イギリス A-Level、GCSE改革の影響

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イギリス在住の人のみならず、海外のインター校に通っている人にとって大きな影響を及ぼしそうなのが、A-levelとGCSEの改革だ。

念の為にざっくりとした説明をしておくと、大学進学のための資格がA-levelで、その前提となる履修課程がGCSEだ。イギリス型のインター校だけではなく、IBスクールでもMYPの代わりにIGCSEをカリキュラムとして採用しているところは多い。

そのGCSEとA-levelのハードルを上げる動きをしているのがイギリスのゴーヴ教育大臣である。OECDのPISAの結果からイギリスの教育レベルが低いと判断し、大学進学のための履修を難しくするための改革に着手してきたのだが、それが着々と実施されつつある。

例えば、テストの受験回数が年2回から年1回に変わったことで、受験者は受け直しが許されなくなった。日本がセンター試験を廃止し、年に複数回受験できるテストに移行しようとしているのとちょうど逆の動きだ。

この「難化」の動きに対して早くもA-levelに見切りをつけて、IBディプロマの履修ができるインター校への転校を考える生徒もいるようだ。

しかし、このイギリス政府の方向性とは裏腹に、国際版A-levelを開発して、イギリス国内の動きとは別の統一試験資格として流布させようとする動きがある。政府が国内のことを憂えている一方で、「外」の市場に目を向けている民間企業があるところがイギリスの強さなのかもしれない。

A-levelがドメスティックになることで、かえって国際版の統一試験資格が広がっていくことになるかもしれない。