大学入試センター試験廃止へ
◇すでにいくつもの媒体で報じられていますが、大学入試センター試験が廃止の方向で検討されているとのことです。
文部科学省は5日、大学入試センター試験を5年後をメドに廃止し、高校在学中に複数回受けられる全国統一試験「到達度テスト」(仮称)を創設して大学入試に活用する検討を始めた。大学志願者の学ぶ意欲を引き出すことで高等教育の質を高め、国際社会で活躍するグローバル人材の育成につなげる。1979年に始まった共通1次試験以降、1回の共通テストが合否を左右していた大学入試が抜本的に変わることになる。(日本経済新聞 2013年6月6日)
◇新たに「到達度テスト」なるものが実施されるようです。到達度テストの中身はこれから討議されるとのことですが、複数回受験できるという点が主な変更点です。受験機会が増えるのは悪いことではないという賛成派意見も尤もですが、少し気になる点もあります。
◇日経新聞では、フランスの「バカロレア」を参考に難易度の異なるテストが用意されることが検討されていると書かれています。しかし、その難易度がどのように異なるのかまでは分かりません。まさか知識量の多寡に還元されるような難易度ではないと思いますが、質的にどういう違いが出るのか、気になるところです。
◇多肢選択型のテストなのだとすれば、従来のセンター試験とあまり変わらないように思います。フランスのバカロレアというより、むしろアメリカのSATのイメージですね。論文形式の試験を客観的に評価する工夫としては、国際バカロレアのInternal AssessmentとExternal Assessmentの手法を取り入れればよいと思うのですが。要するに評価者も評価される仕組みです。