SATが変わる

ニューヨークタイムズによると、2016年春からSATのテスト内容が大きく変わるとのこと。

  参照→A New SAT Aims to Realign With Schoolwork 

Essayのセクションが選択制となり、これまで2400点満点だった合計点が、以前と同じ1600点満点に戻る。高校での勉強を反映できる内容にしようという狙いがあるようだ。

記事では、変わるポイントが整理されている。

  • あまり使われないような難しい単語(SAT words)ではなく、大学で実際に使われる単語を出題する。
  • Essayは選択制となり、Essayを選択した生徒は、課題文を読み、著者の論じ方を分析した上で書くことが要求される。
  • 誤答に対する減点方式( the guessing penalty ) は廃止される。
  • ReadingとMath 各800点満点、合計1600点満点に戻し、Essayのセクションは別立てのスコアとなる。
  • Mathでは、一次方程式、様々な方程式や関数、割合や比に関する問題、の3領域が重視される。 
  • Reading及びWritingでは、幅広い領域の素材文と設問が含まれる。生徒は自分の答えを裏付ける箇所を文章から選択することが求められる。
  • アメリカの建国や市民の権利に関わる文章などが毎回のテストの出題に含まれる。
今回のSAT改定を進めたDavid Colemanという人は、Common Core State Standardsというアメリカ統一カリキュラム構築に関わった人物であるらしい。Essayを別にしたのは、一回でスコアが決まってしまう試験よりも、継続的な評価による学力向上を重視しようという意図があるのかもしれない。College BoardはAPも実施しているわけだから、SATの役割を限定しても特に痛手にはならないのではないか。SAT以上にAPを重視することによって、高校現場の声を反映させながら、IBに対抗するアメリカ統一カリキュラムを完成させようということなのかもしれない。

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