帰国生の新学期ーかえつ有明

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かえつ有明といえば、「帰国生が最も多く受験する学校」とサンデー毎日で取り上げられたほど、帰国生教育が充実している学校である。英語の取り出し授業はもちろんのこと、帰国生のためのサポートが様々なされている。

放課後の日本語講習もその一つで、中1の1学期中間テストまでは、帰国生全員が放課後にサポートを受けることになっている。日本型の学習スタイルにも少しずつ馴染んでもらおうという趣旨である。

かえつ有明は男女別学制を採用していて、通常の授業では、男子クラスと女子クラスが分かれている。帰国生もそれぞれのクラスに分かれて在籍しているが、放課後には、全員が一つの教室に集まり、日本語講習が実施されている。

この日は理科のサポート授業で、顕微鏡の各部の名称(対物レンズとか接眼レンズ)を確認していた。日本語は出てこなくても英語で答える生徒がいるなど、日本語と英語が自然に飛び交う学習空間となっていた。

英語を無理に封じるわけでもなく、また無理に日本語を強制するわけでもない。帰国生の特性を尊重しつつ授業は進行していった。

帰国生(英語取り出しクラス在籍者)の保護者会を覗いてみると、100名ほどの会場がぎっしりと埋まっていた。

学年の垣根を越えた合同保護者会であるとは言え、これだけの帰国生が在籍している学校は、それほど多くはあるまい。中には英語ネイティブの保護者もちらほらといて、担当教員と話をするときには当たり前のように英語が使われている。

かえつ有明の帰国生担当はみな自分もかつて帰国生であったか、留学を経験した先生ばかりである。クラス担任の他に、各学年に帰国生担当教員が配置されていることは、帰国生にとって大いに助かる面があるはずだ。

これまで帰国生は日本の学校の中でどちらかというとマイノリティーであった。しかし、かえつ有明においては、影響力という面ではすでにマジョリティとなりつつある。そういえば今春東大に合格した生徒も帰国生であった。

そして、今年は新たに国際交流のエキスパートとも言える、経験豊富な関先生を迎え入れた。

これだけの帰国生がいれば、今後は海外大学進学に対するサポートの要望も高まってくることは確実。そのような展望の下、今後は海外大学進学サポート体制も充実させていきますよというメッセージであるに違いない。

英語ネイティブの教員は、英語スキルを教えるというよりは、TOK型の哲学授業やHumanitiesを担当する。つまり、リベラルアーツで世界につながろうということだ。

帰国生の受け入れを始めてから4年目の生徒が東大合格を果たしたかえつ有明。大学合格だけが目標ではないものの、次に見据えているのは当然ハーバードであり、ケンブリッジであるに違いない。