学校選びの基準が変わった! かえつ有明の人気沸騰
アクティブラーニングへの関心の高まりを反映するかのように、かえつ有明の学校説明会が凄いことになっている。
かえつ有明では、8月28日に帰国生対象説明会、そして29日の午前中に中学受験説明会、29日午後には高校受験説明会を行った。いずれの会場でも急遽椅子を増設するほどの人気で、中学受験説明会は昨年対比170%、そして高校受験説明会は昨年対比300%の来場者数だという。
かえつ有明のことは当ブログで何度も紹介し、定点観測をしているが、この数年来場者を実質的にずっと増やし続けている。とりたてて奇抜なことを行っているわけではない。説明会のたびにマイナーチェンジしているのだが、常に新しいことにチャレンジしているので、結果的に2年もたつとフルモデルチェンジの様相となっているのだ。
ちょうどオルセースクールミュージアムをやっている時期であるということもあり、帰国生説明会では、石川校長が説明会冒頭で印象派絵画の話を始めた。来場者は一瞬呆気にとられたに違いない。勉強の話を予想していたら、いきなりアートの話なのだから。
かえつ有明において学びは、進学のための勉強だけにとどまらない。生徒自身が関心を育て、問いを投げかけ、そこに答えを見出そうとする。そのプロセスを重視するために評価にも取り組んでいる。結果だけを数値で評価するのではなく、生徒との関わりの中で先生が形成的な評価を行っていく。そのためのリファレンスが知のコードである。
この知のコードが果たす役割は、一見ばらばらに見える学びの様々な局面に地図を与えることである。このコードの下で眺めてみると、アートにおける創造は、クリティカルシンキングの先にあり、クリティカルな視点は、ロジカルシンキングの先にある。ロジック(論理)を支える知識や理解も、印象派絵画のようなアートも実はつながっているのである。
従来、知識・理解で終始していた学びのフィールドを一気に広げる試み、最近「アクティブラーニング」と呼ばれている学びに、かえつ有明はずっとこだわって来た。最初に作文入試の準備を始めたのが5年前。2年前から「思考力テスト」と名称を変えたが、オープンクエスチョンをふんだんに取り入れた入試形態は、今や多くの21世紀型教育を実践する学校で実施されるようになっている。
高校説明会でも、在籍生徒がグループごとに分かれ、ポスターセッションを行っていた。入学後すぐに実施されたケンブリッジ研修で様々な体験をしてきた生徒たちは、物怖じせずに自己主張する。そして質疑応答での質問にも自分の意見を堂々と述べる。説明会をアクティブラーニングの場にしてしまうという発想が画期的である。
こういう学びを支えるのは、当然毎日生徒と接している先生である。生徒と時間をともにし、生徒と真剣に向き合うからこそそのような発想も生まれてくるわけだ。
21世紀型の学びをクリエイトできる先生、このようなSGT(スーパーグローバルティーチャー)による思考力講座の試みが、来たる10月25日に行われる。学校選びと学びが大きく変わっている時代だということが納得できるのではないだろうか。