【帰国生との対話ー3】いきなり外国語環境に置かれる厳しさ
先日、帰国枠大学受験を終えた生徒たちと「ミニ合格祝賀会」を実施しました。まだ国立を受験する生徒もわずかながらいるので、本当の意味では祝賀会ではないのですが、実はパンフレット掲載用の座談会企画を兼ねていたのです。
そんな雑談ともインタビューともつかない対話の中で、改めて感じたのは、外国語を習得することの大変さ、言葉の壁です。帰国生というとだいたい「英語できるんでしょ?」的な反応があるので、それが無言のプレッシャーとなって彼らにつきまといます。発音よく喋れて当たり前と思われる厳しさもさることながら、異口同音に彼ら帰国生が言うのは、全く分からない言語環境に置かれることの厳しさです。
先日の対話でも、最初に現地校やインター校に入った時のことが一番盛り上がっていました。「それ、すごくわかる〜」といったリアクションが全員から出てきます。
小学生や中学1・2年生といった段階で、いきなりすべてが英語という環境に入っていくことは1日中何も分からないままで椅子に座っている状態です。ついこの前まで日本の学校で活発に発言したり先生に認めてもらっていた自分はどこに行ってしまったのかと思うほど、自分が無能になってしまったような気分・・・。
帰国した生徒たちが言うには、「その時のことを考えれば、大学受験なんて大したことない。こんなものでいいのかと逆に拍子抜けしました」とのこと。
まあそこは、一般受験とは違う帰国枠受験の緩さもあるわけですが、それはそれとして、いきなり海外に連れてこられ、日本語が通じない環境に身をおいた生徒たちの気分というのは、想像するに余りあります。
留学生も、海外の環境で同じような体験をしますが、少なくとも自分の意志を持ち、しかもある程度の準備をしてから行くわけですから、その点は帰国生と大きく異なります。
英語ができる一方で、英語に対する恐れも同時に持っているようなところが帰国生にはあるのかもしれません。