首都圏模試主催 入試総括コラボミーティング@富士見丘
2月16日、首都圏模試主催の入試総括コラボミーティングが富士見丘中高にて実施されました。
ミーティングに先立ち、講演を行う吉田先生(富士見丘学園理事長校長)。写真は本間教育研究所提供。
入試総括コラボミーティングは、教育関係のシンクタンクやライターがそれぞれの立場から中学入試を振り返るというもので、私も昨年から出席させていただいています。塾別の合格実績比較あり、地域別の出願者の増減や、注目を集めた学校など、10名を超える演者から中学入試に関連するトピックが提示されます。中学入試のトピックとは言っても、2020年の大学入試改革や教育行政の動きなどにも話は及んでいきます。
一企業、一ライターを超えた共同ミーティングですから、一つの方向に議論を収斂させる必要もなく、様々な観点から話題が提示されます。そういった一つ一つの話題が線としてつながる、もしくは、時には相反するように見えることもあるというところがこの「入試総括」の面白いところです。
私は海外帰国生教育研究家という立場から、帰国生入試についてお話をさせていだきました。レジュメは近日中に首都圏模試のホームページに紹介されると思いますので、ポイントだけをかいつまんでここにご紹介します。
帰国生入試は、入試日や入試科目、出願条件などが複雑で、当事者以外には分かりづらい面があります。しかし、その帰国生入試を、1) 「受入枠の有無や種別」、2)「入試科目・内容」の大きく2点から分けていくと、学校が帰国生をどのように受け入れようとしているかが見えてきます。つまり、帰国生が現時点でどれほど国内カリキュラムに順応できるかという点に注目する学校と、国内カリキュラムを超えたスキル(英語力や異文化対応力など)をどれほど有しているかに注目する学校があるわけです。
近年海外に赴任する駐在の方は、日本人学校よりもインター校を選ぶ保護者が増えているということもあり、後者の学校が好まれる傾向にあります。そういった学校を探すためには、国語算数の知識やスキルよりも、思考力や英語力(外国語力)を重視する入試を実施している学校を探し出すことが近道です。そのような入試を実施するということは、同様の教育環境が用意されているということだからです。
帰国生入試で実施されている受験科目は多岐に渡りますが、マトリックスにして考えると整理しやすくなります。中高6年間で、早いうちに日本のシステムに慣れて、東大や国立医学部を目指そうというのであれば、そもそも帰国生入試に頼らず帰国枠を設けていない学校も含めてターゲットにするのが良いでしょう。選択の幅が広くなります。そこまで一般受験の準備ができないというのであれば、上図のAⅠカテゴリー、またはB1カテゴリーの学校を選んで行くのが良いかもしれません。
一方で、海外の体験を尊重してくれる学校、海外で身につけた英語力を伸ばしてくれる学校を希望するのであれば、AⅡ・AⅢ、BⅡ・BⅢ、CⅠ・CⅡ・CⅢのカテゴリーから学校選びをしていくことが良いでしょう。
入試問題は学校の顔とよく言われますが、帰国生入試はそれが顕著に出ると言って間違いありません。