「内向き」は若者ではなく、日本社会のほう

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◇東大総長の濱田純一氏が文藝春秋11月号に掲載した文章(「秋入学」は生き残りへの賭け)が東大のホームページに掲載されています。→こちらのページ

 

◇この中で次のような一節があります。

いまの若者は内向きだと言われますが、決してそうは思いません。むしろ、デフレ不況をなかなか克服できず、いまの生活水準や経済産業をどのように維持するかに躍起になっている日本社会のほうが内向きではないでしょうか

 

◇優秀な若者ほど、社会への適応力を持っていますから、若者はまさに日本社会を映し出す鏡と言ってよいと思います。「今の若者」について批判的に論じる前に自分の姿をよく見ておく必要があります。例えば「まだ会社で揉まれていないから責任感が育っていない」という前に、若者に面倒なことを押し付けようとしていないかどうか自分をチェックする必要があるでしょう。

 

◇私も優秀な大学生とよく話をする機会がありますが、彼らの就職に対する意識は、20年前とは大きく異なっています。終身雇用への期待などしてはいませんが、それでも大企業に勤めようとするのは彼らなりの思惑があるのです。「後生畏るべし」とは、至極名言です。

 

◇東大が本当に秋入学を実施することができるかどうかは、学内だけではなく、産業界に対しても濱田総長のリーダーシップが発揮できるかどうかにかかっていると言ってよいでしょう。