21世紀世代のための教育実践 1   富士見丘中高

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◇先日「21世紀の教育を創る会」に出させていただいた際に、今年の新中学1年生には21世紀生まれが登場するという話を耳にし、はっとさせられました。

 

◇戦前/戦後生まれ、昭和/平成生まれ、など、世代の区分けはいつの時代にもありますが、20世紀/21世紀生まれという区分けも大きなジェネレーションギャップとなるのでしょう。「戦争を知らない子供たち」とかつて歌われましたが、この頃は「黒電話のダイヤルを知らない」「テレビのチャンネルを知らない」子供たちは当たり前です。

 

◇20世紀生まれだからこそ持っている視点もあるし、そのことを後の世代に伝えていくことの重要性は当然ありますが、一方で20世紀の古い常識に囚われていてもいけないのだろうと思います。特に学びの場面においてはその念を強く持ちます。

 

◇最近、富士見丘中高のホームページで、スカイプを利用した海外交流の様子が掲載されているのが目に留まりました。もともと富士見丘中高は、海外交流では先進的な取り組みをしている学校で、イギリスのキングスカレッジやオーストラリアのクイーンズランド大学との提携、アラブ首長国連邦との文化交流など、意欲的な取り組みを次々と行っています。

 

◇記事によれば、授業にスカイプを取り入れてオーストラリアの姉妹校と交流したとさりげなく書かれているのですが、こういう授業が展開できるということが21世紀型であるということなのだと妙に感動しました。それは、単にスカイプというICTを利用していることによるのではありません。

 

◇英語やICTが、コミュニケーションという開かれた目的のために活用されている点にこそ注目する必要があるのだと感じます。必要であれば英語でも日本語でも、あるいは別の言語でも駆使し、その場を皆で共有することに意味があるのです。実際、生徒がみな授業を楽しんでいることがホームページの写真から伝わってきます。

 

◇ここでは教師と生徒が、知識の発信者と受信者といった固定的な役割を超えて、それぞれが好奇心を持って学びに参加していることがわかります。スカイプを通して「未知の世界とつながろうとする姿勢」こそが、21世紀型と呼べる所以なのです。