シンガポールのグッドスクール 1  【Raffles Institution】

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先日シンガポールを訪問し、いくつかの学校を視察する機会を得ました。今回はシンガポール随一の名門校Raffles Institution(RI)をご紹介します。

 ◇多忙な校務をこなす中、訪問を快諾してくださった校長(Principal)のMrs. Chengは、ケンブリッジ大学の修士号を持つ才媛。国際部長(Dean, International Office)のMs. Jessieともう一人の女性を引き連れ、3名で校内を闊歩する姿は、女性の社会進出が進んでいるシンガポールを象徴するかのようでした。

 ◇RIは、スポーツや芸術、リーダーシップなど、学業以外の面にも力を入れている学校です。しかしながら、学業面の実績を見るとやはり驚愕せざるを得ません。今年度の結果は次の通りです。

UK
Cambridge 53  Oxford 39
King’s College 113 Imperial College 107
London School of Economics  62 University College of London 206

 

USA

Harvard 4 Princeton  6
Yale  10  Columbia  5
Cornell  20  Brown  8
Dartmouth UPenn 8
Caltech Northwestern 8
MIT  5 Stanford  12
Duke 18 Chicago 8

◇英連邦の一つであるシンガポールでは、アメリカよりもイギリスの大学を目指す風潮が強いようです。オックスブリッジへの実績は、実数においてイギリスの名門パブリックスクールのEton Collegeを凌いでいます。

◇しかし、PrincipalのMrs. Chengは、決して「上流」の子弟ばかりが学んでいるわけではないし、オックスブリッジばかりを目指させるような指導をしているわけでもないと言います。今年の卒業生の中には、奨学金を受けてハーバードに迎え入れられるはずだったが、病気の両親を思いシンガポールに留まった生徒がいたことを誇らしげに話してくれました。

◇校内の施設も見学させてもらいました。ある教室では、ICTをどのように活用しているかということをスタッフが解説してくれました。羨ましいと思ったのは、電子黒板などのハード以上に、専属スタッフが先生をサポートしている環境です。先生は、自分の行いたい授業のイメージをスタッフに告げ、アドバイスを受けるそうです。

テクノロジーはあくまでも補助で、生徒がいかに効果的に学ぶかということについて、ICTを駆使する側のスタッフが理解しているところはさすがです。説明も、コンピューターのことより4面の壁に配置されているホワイトボードや電子黒板を強調していて、学習空間の重要性を話していることが印象的でした。