【グローバル時代の英語教育】佼成学園女子

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◇先日、佼成学園女子の江川教頭先生から、留学から帰って来た生徒たちのTOEICの結果が行く前に比べて平均で100ポイント上がっていたというお話を伺った。そのスコアの伸びにも驚いたが、留学の事前事後にさりげなくPDCAサイクルが埋め込まれていることに、やはり「英語の佼成」と呼ばれるだけの教育の厚みがあるのだなと再認識した。

◇事後の英語力チェックという意味なら、どこでもテストを実施するかもしれない。しかし、数ある試験の中でTOEICを選んでいる点が重要なのである。さらに言えば、帰国報告会で英語のプレゼンを全員にさせることと組み合わせて、生徒に対する肯定的な評価をフィードバックする機会となっていることにこそ注目しなければならない。

◇留学から戻って来る生徒が最も伸ばす英語力は、リスニングとスピーキングである。リスニングの比重が高いTOEICで英語力を測ることが、彼らの強みを最もよく反映するのである。さらに、スピーキングについても、60秒程度でいきなりトピックを限定されるスピーチをしなければならないテストより、パワーポイントなどのVisual Aidを用いて、あるテーマについてプレゼンをするという方法が、現地での学習の成果を最もよく伝えられるのである。

◇佼成学園女子の英語教育がきめ細やかだというのは、実はこういうところにさりげなく埋め込まれている工夫なのである。留学から戻って来た生徒は、決して楽しい体験ばかりしているわけではない。英語漬けの毎日に結構苦労しながら、日本に戻ってくるのである。そのような生徒たちをどうやって労うか。大変だったねなどという慰めの言葉ではない。ましてや、きみたちの英語はまだまだだと上から見下すことではあり得ない。きみたちの英語は、こんなに凄いものになったのだとフィードバックしてあげることが第一声であるべきだろう。

◇東京大学経済学部4年生の山口さんが、留学報告会の様子をレポートしているが、その中で述べている次の言葉は掛け値なしの本音である。

自分の周りをみてもここまでのレベルで英語でのプレゼンテーションを行える学生はほとんどいません

◇留学で得られる能力は、受験勉強で得られる力とまったく異なる。したがって東大生がこのような感想を持つのは至極真っ当である。

◇留学に行く前の入念な準備、構成的グループエンカウンターについては、21世紀型教育を創る会の取材で以前に伺ったことがあるが、事後のケアもここまで綿密だったとはさすがである。それにしても、「平均で100アップ」は凄すぎる・・・。