韓国のエリート高校

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◇そろそろ帰国生の大学受験の対策が始まるシーズンとなって、過去の生徒ファイルを整理していたら、とある生徒の出身校(当時は在籍校)が目にとまった。大元外国語高等学校である。

この高校はアイビーリーグを始めとする世界のトップスクールに数多くの卒業生を輩出している学校として時々日本のメディアにも登場する。朝から午後まで普通に授業が行われ、その後補習が、夕食を挟んで夜の10時過ぎまで行われるというのを読んだことがある。

この帰国生も、自分を律して学習する習慣が身についていた生徒であった。欧米からの帰国生がどちらかというと日本型の受験勉強よりディスカッションを好むのに対して、この生徒は宿題はもちろん、自分のするべき復習なども確実にこなしていく生徒であった。数学の教師も、その呑み込みの早さを絶賛していたことを思い出す。

彼は得意な数学を活かして、とある難関私大の経済学部に進学した。もし数学を重視する国立大学があれば、そこにも合格していたのだろうが、残念なことに日本の国立大学で、英語圏以外の帰国生が数学力を発揮してチャレンジできるような入試を実施しているところはほとんど見当たらない。

大学側がどういう才能の持ち主を受け入れようとするのか、実は帰国生入試のような入試制度こそそれを端的に表現できる場であるのに、どこも同じようにSATやIBのような統一試験資格と、TOEFLのような英語資格を基準としているのはもったいない。特に理系の学部は、外国人留学生の受け入れと同様、帰国生のポテンシャルをもっと真剣に考えてみるべきであろう。