かえつ有明学校説明会ー飛躍を続ける人気の秘密(1)

Taxonomy upgrade extras: 

かえつ有明の人気は、単にブームや一時的現象といった話ではない。6月21日に実施されたかえつ有明の学校説明会では、かえつが実践する21世紀型教育や帰国生教育が中学受験のスタンダードとして定着しつつあるということを強烈に印象づけた。学校説明会を取材する中で見えてきたことをお伝えしたい。 

石川副校長は午前中の説明会で、今の若者が自信を失っているという新聞記事に言及するところから話を始めた。自信がないけど役に立ちたい。今の若者の気質をまずは捉えた上で、ではどのように自己肯定感を持たせていくのか、そのことを考える手がかりとして男女別学という学びのスタイルに話が及んだ。

教育イノベーションを起こすという時、単に目新しいことを起こすことがイノベーションというわけではない。かえつがこの数年行ってきたイノベーションを振り返ってみると、いずれも生徒の学びにフォーカスしたものであることに気づく。

男女別学は、男子と女子の学び方の違いや成長の特性といった面にフォーカスした結果として実施されたものであった。また、かえつ有明の独自教科であるサイエンス科の学びは、クリティカルに考える方法や技術を身につけるためのイノベーションであった。

説明会と並行して行われた思考力テスト対策講座もそのベースにはサイエンス科の学びがある。

サイエンス科では、生徒が自ら問いを立てて考える上でフォーム(=思考の型)を重視する。フォームという共通の形式を与えることで、中身(=思考内容)の多様性を促す仕組みである。フォームがあることで、教科横断型の学びが可能になるのである。

教科横断型の学びの重要性については今さら言うまでもないだろう。現実の社会が教科構造とパラレルでない以上、教科内でだけ通用する知識を蓄積しても、社会に出てから役立たない。知識を運用する力、知識を組み合わせていく力、それを誰もが習得できる方法論として体系化したものが、サイエンス科が依拠するクリティカルシンキングである。

かえつでは、サイエンス科をコア科目として据え、クリティカルシンキングを育成するという、かえつ独自の教科構造を組み立てた。それはIBのTOKと連動することでより強固なものになり、帰国生教育の強みにもつながっている。