スクールミュージアムの動き広がる

女子聖学院でオルセースクールミュージアムが開催されている。昨年夏にかえつ有明でも開催されていた企画であるが、女子聖学院ではプロのアートコンシェルジェによるワークショップを行って、生徒ガイドを育成するなど独自の工夫も凝らしている。 

  アートに接すると感性が刺激される。しかも、大きなミュージアムで人気の作品を見るのとは違って、模写することや鑑賞することで発見がある。ぼんやり見ているときには気づかなかったことに気づき、その気づきが問いを生み出すのである。

 問いは思考そのものである。そして知識はそこに何らかの解答を与えようとする。しかし、知識が定着して問いが起こらなくなったら思考もそこで終わってしまう。「絵が分からない」などという人は知識を求めているからなのだろう。アートは「分かる」ものではなく「探求の入り口=問い」なのではないか。

 そういえば女子聖学院のある国語の先生は、絵を見てコメンタリーを書かせるといった授業も展開されていたようだ。生徒たちは、感性とクリティカル・シンキングを大いに刺激されたことだろう。

 奇しくも Courseraではミュージアムを授業に活用する講座を開講するようだ。方法論を普遍化して学問にしてしまうところは、やはり先を行っているということなのか。