かえつ有明 帰国生対象説明会 学校がグローバルな場

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7月23日にかえつ有明で帰国生対象の説明会が行われた。会場となったかえつホールには、一般生対象の説明会と見まがうほど大勢の帰国生と保護者が集まり、かえつ有明が実践しているグローバル教育の中身に熱心に耳を傾けていた。

かえつ有明が説明会で多くの帰国生を集め、応募者や入学者も劇的に増やしているその人気の秘密はいくつかあるが、その根本には、校長の石川先生自身がかつて帰国生であったということが挙げられる。

中学生の各学年に、元帰国生であった教員をラス担任とは別に配置し、いつでも相談に乗れる体制を整えていること。あるいは、1日に1度は必ず英語ネイティブ教員による取り出し授業を設置していること。また、帰国生専用の放課後日本語講習を設置していること。こういった取り組みを矢継ぎ早に実施してきた背景に、石川校長の帰国生としての経験が影響していることは間違いないだろう。

今年は、帰国生として入学した4期生が東京大学に合格したのだが、説明会後半の進学結果を報告するわずかな時間に触れられただけ。特に東大だから特別だという意識もないし、自慢めいた話もない。むしろ、今まさに行われている、そしてこれから行われることになっているかえつ有明での教育の中身についての説明に終始した。

「Humanities」や「Language Arts」といった新しい科目、そして以前から行われているTOK (Theory of Knowledge)型の哲学授業やCritical Thinking Skillsをベースにしてサイエンス科、高校新クラスで設置された教科横断型の「Project」・・・海外で学習していた人であれば、いずれの科目もピンとくるに違いない。設置している科目が欧米のカリキュラム準拠なのである。

かえつ有明のグローバル教育は、将来のグローバル社会で活躍することはもちろんだが、それ以上に「今ここ」の学校生活がグローバルな場であることが意識されている。帰国生と一般生が垣根を越えて学ぶ、国籍も含め、多様なバックグラウンドの生徒が同じクラスで共に学ぶ、こういったことを日常的に感じている環境だからこそ、異なる文化や考え方をリスペクトする寛容性が育まれるのである。

この秋からは中国からの留学生もやってくるという。どうやらまたかえつ有明の新しいチャレンジが始まるようである。