IB教育エキスパートとの会合
立命館宇治中高の久保敦先生とお会いする機会があった。8月6日から8日までの3日間、東京学芸大学国際中等教育学校で行われていた国際バカロレア(IB)のサポートセッションに参加したとのこと。今回久保先生は特にTOKに関する研修を受けてきたという。
立命館宇治高校では、一条校として関西で初めて認定を受けたIBDPコースを持ち、海外大学への進学も多い。IBが提示する10の学習者像を立命館宇治も掲げているが、この日本語訳が素敵だ。
(立命館宇治中高 ホームページより)
文科省などが出している訳とは異なり、立命館宇治が掲げているのは漢字一字の訳。Open-mindedが「寛」だったり、Caringが「仁」だったりと、端的な表現で分かりやすい。それぞれの人間像の説明も学校独自の説明が打ち出されている。詳しくは立命館宇治のホームページをご覧いただきたい。
久保先生は、TOKの中身をもっと日本の教育関係者に知ってもらうために、様々なプロジェクトも別に進行しているそうだ。IBDPという枠の中にとどまらず、TOK単体としてもっと柔軟にそのユニークな学習方法を広められるのではないかと考えているという。
文科省が進めている「デュアルランゲージ・ディプロマ・プログラム」(日本語DP)も、日本語によるIBの理解に寄与するだろうが、予算的に限定されてしまう以上、民間企業も巻き込んだ形で日本語化を進めざるを得ないだろうということだ。
大切なことはTOKそのものが広がるかどうかということだけにとどまらず、TOKのような「教科横断型コアカリキュラム」のスタンダードが日本に根付くかどうかということであろう。かえつ有明が「サイエンス科」で実践しているように、日本の学校が独自プログラムとしてTOKのようなコアカリキュラムを発展させていくことが大事だとお話されていた。
IBに詳しい久保先生のお話を久しぶりにお聞きして、私も刺激をいただいた。