佼成学園女子のグローバル教育
1月11日に首都圏模試会場となった佼成学園女子に伺い、江川先生の講演をお聞きした。SGHや留学コースに関して、佼成学園女子のさらなる進化を確認することができた。
日本ではグローバルというと、すぐに英語の必要性を訴えがちであるが、佼成学園女子の場合は、もともと英語が強い学校としてつとに知られているだけに、グローバル化社会に対する見方が骨太である。
グローバル社会という観点から、「多民族社会における平和的発展」という目標設定をしてしまうところが、並ではないのだ。特に国際バカロレア(IB)を意識しているわけではないだろうが、奇しくも同じ目線でグローバル社会を捉えていることが感じられる。IBでは、貧困・格差や平和・紛争といったGlobal Issuesがよく取り上げられるが、それと同じ質感が佼成学園女子のグローバル教育には感じられる。どうすれば経済的に勝者になれるかといった利己的な観点のグローバル教育とはまったく質が異なる。
佼成学園女子では、フィールドワークを通して異文化を学び、自国の文化への誇りを育みながらグローバル教育を進めようとしている。
そのグローバル教育の先には、日本だけではなく本当の意味で海外で活躍できるような進路先も用意されている。佼成学園女子はロンドン大学SOAS校と提携をしており、学校推薦を受ける形での進学が可能なのだ。
一方で、「英語の佼成」はもちろん健在である。留学コースの在籍者数は年々増えているということで、提携の留学先も充実している。留学コースの生徒が同じ学校に集中しないよう、提携校の選定にも余念がない。
さらに、留学コースばかりではなく、在籍者全員が自分の目標を定めて臨む「英検まつり」という恒例行事も行っており、「英語の佼成」の名に恥じないバックアップサポートを行っている。
この日は中学受験生のための説明会ということもあり、英検の入口のレベルである5級と4級の問題集が会場に並べられていた。これは、江川先生自らが執筆された著書で、これまで佼成学園女子の「英検まつり」をはじめとする英語サポートのイベントを牽引してきた江川先生自身の経験の豊かさを物語っている。
グローバルと英語の両輪を駆使しながら、新たなステージに挑戦しようとしている佼成学園女子。中学受験のみならず、高校受験においても大いに注目されることになるだろう。