平成27年度スーパーグローバルハイスクール指定校が決まる

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 昨年スタートしたスーパーグローバルハイスクール(SGH)に、新たに56校が加わった(アソシエイトには55校)。これによって、グローバル化の波が高校を中心にさらに広がっていくことになりそうだ。国内の大学進学をめぐる偏差値的な競争をする時代から、世界の中で自分の独自性を発揮する時代への変化がすぐそこまで来ている。従来のような相対的なポジションの高低を気にして学校選びをしていると、社会に出るころには、時代に取り残されてしまうだろう。

 かつてのスーパーイングリッシュランゲージハイスクール(SELHi)とは違い、SGHはプログラムの中身が学校によってかなり異なる。各指定校が掲げている構想名を見る限り、それぞれの学校が考えるグローバル教育への理念がプログラムに色濃く反映されている。SGHだからといってすべての学校を一括りにして見ることはできない。

 しかも、SGHに名乗りを上げないグローバル教育の学校も数多くある。武蔵や麻布のように、文科省の制約を受けず独自路線を貫こうとする学校は、以前からずっと実質的にグローバル教育をやっているのである。受験生や保護者は、これまで以上に学校の教育の中身を知り、選択眼を持つ必要が出てくる。

 鍵となるのは、英語教育や異文化理解教育といった面だけではなく、海外大学進学を含めたグローバル進路指導体制の有無だ。SGHに指定されても、これらの面がすべて充実している学校ばかりとは限らない。逆に、SGHでなくても、上記すべてが万全の態勢である学校もある。私立学校、特に21世紀型教育を実践する学校は、国内受験の偏差値序列を相対化するような教育を行っているから、おのずとグローバルな感覚や価値観を身につけることになるはずだ。

 何はともあれ、大きな予算を注ぎ込んで進めるプロジェクトである。SGHの今後の動向に注目していく必要がありそうだ。