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【帰国生入試問題研究ー2】京大経済2015年度小論文 第1問

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京都大学経済学部の帰国生入試の小論文では、例年課題文が2題出題される。2015年度第1問の出典はアンガス・ディートン著『大脱出 健康、お金、格差の起源』。2014年10月に翻訳が出版されたばかりの 書籍からの出題である。

(1) 傍線部「動機づけと格差との間には大きな矛盾がある」とはどういうことか、本文の内容にもとづいて説明しなさい。

自己制御力が高い人ほど教育の恩恵を多く受け取り、結果的に高い収入を蓄積する傾向があるため、格差がさらに拡大するということが本文に書かれている。この部分を使ってまとめればよい。格差があることをばねにしたハングリー精神といったようなものを引き合いに出せば「矛盾」と表現されている意味も説明できる。

(2) 機会の平等について、本文とは異なる具体例を挙げ、あなたの意見を論じなさい。また、そのような例では、「誰の目にも公正な結末」が得られていると思うか。論じなさい。

教育を受ける機会の平等については本文に書かれているので、それ以外の具体例を挙げる必要がある。すぐに思いつく例では、雇用における機会平等であろう。自分の暮らしていた国と日本の比較をするのもよいかもしれない。

帰国生がクリティカルな視点を持ち得るのは、外国、特に欧米の教育制度の下で、議論を中心とした授業を受けてきたということもあるだろうが、それ以外にも、日本を相対的に眺める機会が多いということがある。それは決してネガティブに見るということではなく、離れているからこそむしろよく見えることも多い。

一般的に、新卒一括採用などは「機会不平等」の最たる例として指摘されることも多いが、考えようによっては、職種やポジション別に募集しないことのメリットもあり得る。会社の中においてスタートする位置を揃えることで昇進の機会を平等にしているわけだ。

つまり、個人が様々な会社を選ぶという意味での機会で考えるか、終身雇用を前提とした会社の中での機会を考えるかということによって、同じ制度が機会の平等とも不平等とも言えることになる。

日本の受験制度は、偏差値的序列による偏見を助長しているという側面はあるが、入試問題の中には、受験制度をもクリティカルに捉え返す契機となるものも多い。