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ベルリン医科大学(シャリテ)に進学した生徒が来訪

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以前に通信指導でIB Japaneseを教えていた女子生徒が、一時帰国中にわざわざ大学の入学報告をしに来てくれた。

ドイツのインターナショナルスクールで学んでいた生徒で、現在はシャリテ(ベルリン医科大学)で医学を学んでいるという。シャリテは、日本ではあまり知られていないが、ドイツの最難関国立大医学部である。ドイツの国立大学は学費が無料であり、それは外国人にも適用される。

学費が無料で医者への道が開かれるのだから、これほど魅力的な進学先はないと思えるが、当然入学は至難の業である。まず、授業はドイツ語で行われるから、ドイツ語を履修していないと入学は難しい。この生徒の場合は、第二外国語としてドイツ語を選択していたので、それがアドバンテージになっていた。

さらに、やはり成績はトップレベルが要求される。彼女の周囲にはアビトゥア(ドイツの大学進学のための試験)で満点を取った生徒がゴロゴロいるということだ。そういう彼女もIBの最終スコアはやはりずば抜けていた。

私が教えたのはJapaneseなので、他の科目について詳しいことはわからないが、文学作品の分析力もピカイチであった。彼女が口頭で作品批評をする際に使ったメモのドラフトを紹介する。

泉鏡花作の戯曲「天守物語」は、封建時代に時代設定を置いた化け物と人間の恋の物語である。この作品の面白いところは、物語によくあるパターンである「人間対化け物」というような図式が成り立たず、読者や観客が持つオーソドックスな善と悪の概念が作者によって利用されているところにある。悪の化け物を正義の人間が倒すというのはいわば物語の王道であるが、この作品にて作者は化け物と人間の立場を逆にし、人間も化け物のような部分があるのだということを観客に見せている。このような特異な設定はなかなか衝撃的で受け入れにくいということも予想されるが、「天守物語」はしかしその計算された時代・舞台設定によって、メッセージを受け取る側にとって親近感を持って楽しめる痛快な物語となっている。

ここに引用したものはイントロダクションの一部で、10分間の口頭での発表を行うために4000字以上の原稿を用意していた。また、他にも全部で10作品に及ぶ作品分析を行い、最終スコアでは最も良い7をもらった。

要するに、彼女にとって文系も理系もないのだ。文学も学べば化学も学ぶ。その上で医学に行きたいとなればその道を選んで進学する。そうやって自分の進路先を切り開いている様子は、教え子であるが「頼もしい」と形容するしかない。

さらに、このように何事でも学んでいこうとする生徒に共通することであるが、物腰が謙虚である。彼女のような生徒が増えれば、日本の状況を憂える必要などはない。既得権益にすがろうとする人々はやがて世代交代とともに力を失くしていく。リスクを引き受けられる人が本当の意味で自由な社会を形成していくであろう。今のところ、そういう人々はどうも海外に行ってしまう傾向が強いようであるのだが・・・。