1月 2017

かえつ有明 石川一郎校長先生の本が出版されました

21世紀型教育を創る会の幹事校の一つ、かえつ有明の教育改革を牽引する石川一郎先生の本が講談社現代新書から出版されました。

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講談社のプレスリリース用チラシが、首都圏模試主催のコラボミーティングで資料として配布されていたので、本の中身を垣間見ることができたのですが、かなり刺激的です。

キャッチには次のように書かれています。

キーワードは【アクティブ・ラーニング】という学びの方法。今の中学一年生以下が受験する2020年以降の大学入試は、ズバリ「欧米水準」となっていく!!

首都圏模試主催 入試総括コラボミーティング@富士見丘

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2月16日、首都圏模試主催の入試総括コラボミーティングが富士見丘中高にて実施されました。

ミーティングに先立ち、講演を行う吉田先生(富士見丘学園理事長校長)。写真は本間教育研究所提供。

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東京・神奈川エリアの中学入試がスタート!

2月1日、東京神奈川エリアで中学入試が始まりました。今年の中学入試のトレンドは「思考力入試」。2020年の大学入試改革を見据え、中学入試において発想力や表現力を見るタイプの出題が増加しています。一昨日(1月30日)には、朝日新聞と毎日新聞が、それぞれ中学受験に広がっている「思考力入試」について取り上げていました。

(写真はかえつ有明の入試当日の早朝の様子。思考力テスト人気により、初日午前中の受験者数も昨年比115%の伸びということです)

朝日新聞に取り上げられていた思考力テスト入試問題の例では、かえつ有明以外にも、聖学院や共立女子などの入試問題が紹介されていました。いずれの学校も、従来の知識暗記型のテストとは異なる、新しいタイプのテストによって、受験生の発想や表現力を評価しています。

【帰国生との対話ー5】 漢字、ありがとう!

以前にイギリスからの帰国生がインター校に入ったばかりの苦労話を聞かせてくれました。

その生徒は、10年生(高校1年生)でイギリスに渡り、それが最初の海外生活。それまで日本で英語は学んでいたとはいえ、イギリスのインター校では、授業も宿題も会話も分からない状態で座っていたとのこと。

 

そんな時に助けてくれたのは、同じくその学校に来ていた中国人の生徒だったそうです。まず英語で苦労していることを共有できたことで、精神的に楽になったといいます。その中国人との会話は英語でしていたので、英語の会話練習にもなったわけです。実際、英語を第2言語としている者同士のコミュニケーションは、英語ネイティブの人と直接話をするよりも気持ちが楽になり、話がしやすいという面があります。

 

そして、特に助けられたのが、授業で分からないことが出てきた時だったそうです。英語の意味が分からずに困っていると、その生徒がメモにさっと漢字を書いてくれて、渡してくれたというのです。字体は異なっていても、意味は分かるのでそのメモに大いに助けられたということでした。そんな話をしてくれた生徒から出た言葉が「漢字、ありがとう!」です。

 

創造的思考の鍵はリスクテイク

創造的思考力を伸ばすためには、異質なものを組み合わせて新しいものを作り出すスキルが必要です。しかし、何よりも必要なものはそういったスキルを越えようとするリスクテイクの精神なのでしょう。そんな当たり前のことを、創造的思考のルーブリック(評価表)を眺めている時に気付かされました。

このルーブリックはAssociation of American Colleges & Universitiesという団体が出しているVALUE Rubricというものです。創造的思考の評価には、1) Acquiring Competencies, 2) Taking Risks, 3) Solving Problems, 4) Embracing Contradictions, 5) Innovative Thinking, 6) Connecting,Synthesizing, Transforming といった6つの観点が示されています。

項目は全てなるほどと頷ける内容ですが、中でも Taking Risksは、「まさにこれ!」と、膝を打ちたいような気分になりました。つまり、創造性というのは他人と違うことを恐れないことで初めて発揮される側面があるのですね。子どもがえてして創造的なのは、常識に囚われていないからです。

文大杉並ダブル・ディプロマ・コース(BC州カリキュラム)の取材メモ

新年早々の1月4日、文化学園大学杉並中高(文大杉並)の青井教頭先生をお訪ねし、ダブル・ディプロマプログラムについてお話を伺ってきました。

インタビュー記事は21会サイトに掲載しましたので、ぜひこちらをご覧ください。

文化学園大学杉並 新しい女子校モデルのインパクト(1)

文化学園大学杉並 新しい女子校モデルのインパクト(2)

取材に先立ち、カナダブリティッシュコロンビア(BC)州のカリキュラムを確認するために教育省のホームページをチェックしました。よく編成されていて、コンテンツも充実、しかも誰でもアクセスできるようになっていることに驚かされました。

インタビューでも触れた「Educated Citizen」については、BC州の教育省では次のように表現されています。

( The citizens are )

【帰国生との対話ー4】アピールの重要性

帰国枠大学受験を終えた帰国生が、ヨーロッパのとある非英語圏の国のインター校(IBスクール)に入学した時の話をしてくれました(個人が特定されてしまうほど日本人が少ない国なので今回は国名は伏せておきます)。

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その生徒は入学試験の出来があまりよくなかったために一度不合格となってしまったそうです。しかし、IBスクールがそのエリアでその学校ただ一つしかなかったということもあり、なんとか食い下がろうと、そのインター校に結果について再考してほしい旨を親と一緒に訴えました。その訴えの内容とは、数学のテストで電卓が使えるということを知らされていなかったために思うような点数が取れなかったということ。さらに、日本人が学校にいることが多様性という意味でも学校に寄与するはずだとも伝えたそうです。このあたりは本人というよりも、親の交渉力がきっと強力だったのかもしれません。それが功を奏したのか、先方もその訴えを聞き入れ、その結果、再受験が認められ、晴れて合格できたということでした。

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